関西支部第44回例会のお知らせ [関西支部]
■日本通訳翻訳学会日本通訳翻訳学会関西支部第44回例会が以下の要領で開催されます。ふるってご参加ください。
■日本通訳翻訳学会関西支部第44回例会
【日時】 2017年3月11日(土)15:00~17:30
【場所】 西宮市大学交流センター阪急西宮北口駅北改札口を出て右手、隣接の「ACTA西宮」東館6階)
発表1
【タイトル】医療通訳技能認定試験について
【発表者】重野亜久里(特活 多文化共生センターきょうと代表)
日本の医療機関を受診する外国人患者が急速に増加する中、言語によるコミュニケーションを支援する医療通訳者の存在は、外国人患者に適切な医療を提供するうえでも今後ますます必要となってきている。2016年度より「医療通訳技能認定試験」を開始した。本試験は、日本医療教育財団が実施する民間の試験であるが、2013年に作成された、厚生労働省『医療通訳育成カリキュラム基準』に基づき、試験内容や教育訓練ガイドラインが設定され、プライマリーケア等の基礎的な通訳業務を想定した「医療通訳基礎技能認定試験」と二次・三次医療機関等で行われる専門的な要素などを含んだ通訳業務を想定した「医療通訳専門技能認定試験」の2種類が設けられている。
本発表では、医療通訳育成カリキュラム基準ならび認定試験に携わる立場から医療通訳技能認定試験や教育訓練ガイドライン等、実施状況について発表する。
発表2
【タイトル】「Handbook of Translation Studies日本語翻訳プロジェクト・経過報告」
【発表者】HTS日本語翻訳プロジェクトメンバー(イザベル・ビロドー、石塚浩之、大久保友博、田辺希久子、山田優)
John Benjamins社より2010年から2013年にかけて出版されたHandbook of Translation Studies (Vol. 1-4) の多言語化プロジェクトの一環として、2013年ごろから有志によってその日本語訳がグループワーク形式で進められているが、日本通訳翻訳学会の公認プロジェクトとしては2016年度が最終年に当たる。通訳・翻訳の両分野やその周辺領域にも及ぶ書籍のため、訳出に必要とされる知識も多岐にわたるが、プロジェクトに臨むに当たってメンバーは共同翻訳作業を積極的に工夫しながら行っている。今回はその経過報告として、(1)プロジェクトの経緯・概要説明、(2)共同翻訳の手順や仕組みの解説、(3)共同翻訳のケーススタディと担当翻訳者・校正者による相互コメント、(4)プロジェクトから派生・発展した企画や成果、などについて実践に基づいた発表を行い、今後の通訳・翻訳研究のための議論の一助とするものである。
【参加費】会員:無料 非会員:1000円(学生500円)
【出席のご連絡・お問い合わせ】古川(furukawa@shoin.ac.jp)までお願いします。
なお、終了後懇親の会を予定しております。お気軽にご参加ください。
第43回関東支部例会のお知らせ [関東支部]
【日時】2017年4月15日(土)13:30-16:30
【場所】立教大学池袋キャンパス(教室は後日お知らせします。)
【プログラム】
13:30-14:30 研究発表
タイトル:「手話通訳研究の現状と課題」
発表者:白澤麻弓会員(筑波技術大学)
要旨:手話通訳に関する学術的研究は米国が世界を牽引する形で発展してきた。特に手話通訳を社会言語学的視点から分析する研究は、コミュニティ通訳を中心とする通訳研究全体にも影響を与えてきており、手話通訳の世界を理解する上でも興味深いものと考えられる。本例会では、こうした手話通訳の社会言語学的研究をいくつか取り上げ紹介することで、最近の研究動向と音声言語による通訳研究の接点を探りたい。
14:40-16:00 ディスカッサントによるコメントとディスカッション
ディスカッサント:吉田理加会員(順天堂大学)、松下佳世会員(国際基督教大学)、武田珂代子会員(立教大学)
【参加費】会員:無料 非会員:1000円(学生500円)
【お問合せ先】立教大学・武田珂代子(kayokotakeda@rikkyo.ac.jp)
研究法・論文執筆プロジェクト主催公開ワークショップ「インタビュー法」のお知らせ [研究法・論文執筆プロジェクト]
■研究法・論文執筆プロジェクト主催公開ワークショップ「インタビュー法」のお知らせ
「インタビュー法」は質的研究の基本的な調査方法の一つとして、通訳翻訳研究でも広く使われています。今回は、長年に亘りインタビュー法による研究を重ねておられる立教大学大学院の藤田ラウンド幸世特任准教授を講師にお招きし、「インタビュー法」の基本を学ぶと共に、通訳翻訳研究への応用について考えたいと思います。ふるってご参加ください。
インタビュー法
講師: 藤田ラウンド幸世(立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科 特任准教授)
概要:今回のセミナーは日本通訳翻訳学会研究プロジェクトがこれまでに行ってきた、「研究を構想する(2014年度)」、「エスノグラフィー法(2015年度)」、「談話分析(2015年度)」、「質問紙調査(2016年度)」を受けて、それを補完する形で「インタビュー法」の可能性を探るワークショップを行う。これまでのセミナーを受けていない人でも参加は可能である。ただし、今回のインタビュー法のセミナーでは、初めに「質的研究を問い直す」というテーマを理解の上で参加をお願いしたい。
インタビューは調査法の中でも、相手から情報を得るということでは基本的な方法であると考えることはできるが、しかし、「ただのインタビュー」をしてもそれは研究とはいえるのか。その点を今回セミナーを通して一緒に考え、インタビューの可能性や調査のために「どのような」インタビューが適当であるといえるのかを問い直す作業を、まず行う。
その次に、私(藤田ラウンド)自身のインタビュー調査のデータを提供し、ワークショップとしてグループワークを行い、ハンズオン・ライフヒストリーインタビューをまとめる作業を行う。
当日は、インタビュー法をめぐる文献もいくつか紹介も行いながら、質的研究としてのインタビューをめぐる可能性について一緒に考える機会としたい。
講師プロフィール:東京都出身。法政大学文学部を卒業後、国立国語研究所、イギリス・ランカスター大学、一橋大学で言語学や社会言語学を学び、2011年に国際基督教大学教育学博士号取得。日本語教師としても20年以上のキャリアを持つ。2009年トヨタ財団助成研究「新宿のニューカマー韓国人のライフヒストリー記録集の作成 -顔の見える地域づくりのための基礎作業」において12人の共同研究者と共に100人の「インタビュー」を行う中でその方法論を考え続けた。2013年から科研「多文化家庭の子育て戦略の課題 -日韓中の国際カップルへのインタビュー調査」、2016年から科研「越境する結婚移住者の教育観に関する基礎調査:国際結婚した在外日本人父親の言説分析」の共同研究として現在も継続中。個人の研究としてはミクロレベルとしての「国際結婚家族」、「第二言語としての日本語」、「消滅危機言語」のバイリンガルの事例研究と、マクロレベルとしての日本のマルティリンガリズムを対象に社会言語学の観点から研究を行う。近著は2013年「国際結婚家族で母語を身につけるバイリンガル」加賀美常美代返書『多文化共生論』明石書店、2016年12月予定「消滅危機言語コミュニティから日本の言語教育政策を観る」桂木隆夫、ジョン・C・マーハ編著『言語復興の未来と価値』三元社。また、藤田ラウンド代表の科学基盤研究C24520586「多文化共生を再考する:多言語アイデンティティを肯定できるコミュニティに向けて」の研究ウェブサイト(http://multilingually.jp)、とカタルニア政府助成ウェブサイト「宮古島 伝承の旅」http://miyako.ryukyuで情報発信も行う。
日時:2017年1月14日(土) 13時30分~16時30分 (13時受付開始)
場所:清泉女子大学 2号館231号室(最寄駅:五反田 A6出口より徒歩6分)
参加費:無料(要予約)
参加申込先:kaorin.tufs*gmail.com(受付担当者:西畑香里)(アドレスは*を@に変更して下さい)
以下のことを明記の上お申し込みください。
(1)Eメールの件名欄:1月14日公開ワークショップ
(2)氏名(ふりがなも)
(3)所属
(4)電話番号
(5)Eメール
(6)学会・非学会員の別
申込み締め切り日:1月10日(火)
第43回関西支部例会のお知らせ [関西支部]
■関西支部第43回例会を下記の通り開催いたします。
まだまだお席がございますので、関心がある方にお声掛けをしてくださいますよう、お願い申し上げます。
■日本通訳翻訳学会関西支部第43回例会
【日時】 2016年12月10日(土)15:00~17:30
【場所】 西宮市大学交流センター
(阪急西宮北口駅北改札口を出て右手、隣接の「ACTA西宮」東館6階)
発表1
【タイトル】「通訳ワークショップ」授業実践報告
【発表者】山崎美保(神戸女学院大学・関西大学非常勤講師)
【要旨】関西地方のある私立大学において筆者が担当している「通訳ワークショップ」の授業について報告する。本授業は、K大学における「通訳翻訳プログラム」の履修者で、3年次において通訳プログラムの関連授業を履修済みの学生を主な対象に、英日・日英の実践的な通訳訓練を行うことを目的とした半期完結型の授業である。
本授業における訓練は、難度の高いものであったが授業後のアンケートを見るとそれをポジティブにとらえていて、毎回課される課題も積極的に取り組み、講師の説明を受け入れようとするlearnability(学習意欲)が感じられる。講師の体験談を聞けて良かったという声も多く、現場の人間だからこそ話せる実際の状況をクラスで伝えることで学生は現実感―自分の取り組んでいる課題は大学という枠内だけでなく、実際の仕事に通じている訓練なんだという実感―を持つことが出来るという事であろう。学生の全般的な通訳スキルの向上とともに第一回目の授業で見られた学生特有の言葉遣いや癖はほとんどといっていいほど見られなくなった。
本授業の中核となる「ピアスピーチ通訳演習」及び「ゲストスピーカー・セッション」について実際の状況を踏まえて今後に向けての改善点を洗い出し、更なる授業の質の向上につなげていきたいと思う。
発表2
【タイトル】「米国における通訳を介した警察の事情聴取の伝聞問題に関する『代理人かつ導管』理論の問題点と今後の指針」
【発表者】田村智子(早稲田大学大学院非常勤講師)
【要旨】通訳人を介した事情聴取における証言を伝聞としないための法理論は、コモン・ロー諸国が長年苦慮してきた課題である。米国では通訳人は警察と被疑者の共同代理人ゆえ被疑者による伝聞主張は不可とする1892年の判決が、代理法の雇用者責任の原理を援用した連邦証拠規則に基づく揺るぎない判例法として確立され、70年代からは導管論も併用した「通訳人は警察と被疑者の共同代理人かつ導管」たる主たる判例法となり最高裁においても未だ覆っていない。しかし両理論併用に根本的な矛盾があり、また代理法援用は合衆国憲法修正第5条に抵触する可能性が極めて高い。また仮に完全可視化が導入されたとしても、一言語しか解さない刑事と被疑者による通訳の正確性・中立性の間接的な把握には限界があり、裁判官及び陪審員にとってもtranscript とcheck translation無しに通訳が本当に「導管(正確かつ中立)」であったのかを検証するすべはない。以上の法理分析に加え本発表では、「質問と答えの噛み合い」、「原発話と訳出文の長さの差」、「通訳人と被疑者間の追加やり取りの多寡」等による通訳の正確性・中立性の間接的判断にはどの程度の限界があるか、を検証するために行った事情聴取の実録にもとづく量的分析の結果についても分析したい。
【参加費】会員:無料 非会員:1000円(学生500円)
【出席のご連絡・お問い合わせ】古川(furukawa@shoin.ac.jp)までお願いします。
なお、終了後懇親の会を予定しております。お気軽にご参加ください。
公開ワークショップ「質問紙法への誘い」のお知らせ [研究法・論文執筆プロジェクト]
■研究法・論文執筆プロジェクト主催の公開ワークショップ「質問紙法への誘い」が10月23日(日)の13時30分-16時30分 (13時受付開始)の予定で開催されます。場所は東京外国語大学本郷サテライト3階セミナー室です。詳しくはこちらをご覧ください。
第17回年次大会のお知らせ [年次大会]
「手話言語と音声言語に関する民博フェスタ2016」のお知らせ [NEWS]
http://www.r.minpaku.ac.jp/ritsuko/ssll2016/index.html
なお、日本通訳翻訳学会はこの催しを後援することになりました。関心のある方はぜひご参加ください。
翻訳研究育成プロジェクト第11回会合のお知らせ [翻訳研究育成プロジェクト]
関西支部第42回例会のお知らせ [関西支部]
今回初めて梅田の会場で行います。まだ席が残っておりますので、ふるってお申し込みください。
また関心のおありの方にもお声掛けいただけますと幸いです。
■日本通訳翻訳学会関西支部第42回例会
【日時】2016年7月23日(土)15:00-17:30
【場所】龍谷大学大阪梅田キャンパス 研修室
同キャンパスへのアクセス
http://www.ryukoku.ac.jp/osaka_office/access/
発表1
【タイトル】日中難訳語についての考察
【発表者】入江沢竜(関西大学外国語教育研究科)
【要旨】
日中学習者は学習や実践の際に語学環境や文化背景などの影響により、難訳パターン由来の誤訳が多発しているのが現状である。それらの発生しやすい難訳パターンや難訳語を品詞ごとに分類し、名詞、動詞、形容詞、数量詞、同音異義語などに発生する難訳要因を考察する。そして、発生要因に即した訳語を提案することにより、難訳による誤訳を回避し、難訳パターンのスムーズな訳出に役立てたい。本考察は日中学習者への注意喚起や日中通訳者を目指す方々への問題提起に繋がることを期待する。
発表2
【タイトル】パラテクストの視点から見た中国と韓国時代劇の日本語字幕における注の使用と比較
【発表者】鄭雁天(神戸大学国際文化学研究科博士後期課程)
【要旨】
視聴覚翻訳では、時間・空間などの制約があるため、通常注の使用は難しいと考えられ、特にその主流形態の1つである字幕翻訳では、注を付け加えるどころか元発話の削除、凝縮、改変といった方法が頻繁に用いられる。とはいえ、作品によっては注が多用されるものも実は存在し、更に、注を字幕翻訳における1つの大きな要素として認め、通常の字幕翻訳と区別して用語解説付字幕を推進すると思われる試みがなされている。その内、時代の差異やジャンルの特殊性などがゆえに、注の必要性が高くなると見られる時代劇が典型的な例として挙げられよう。
本稿では、注がパラテクスト要素の1つであるという立場にあり、Genette(1997)によるパラテクストの5つ(spatial・temporal・substantial・pragmatic・functional)の特性の視点から、中・韓時代劇の日本語字幕における注の使用がどうなっているのかを考察および比較し、またそれらの注の使用がどのような要因と関わっているのかを探ってみたい。
【参加費】会員:無料 非会員:1,000円(学生500円)
【出席のご連絡・お問い合わせ】田辺(tanabe@mail.kobe-c.ac.jp)までお願いします。
なお、終了後懇親の会を予定しています。お気軽にご参加下さい。